終わりは始まりか ~私達の場合~
「陽輝くんの事はまた落ち着いて考えます。でも俺が美月さんを好きな気持ちは変わりません。」

なんとまあ、潔く言い切ってくれたことか。

「この先、私と陽輝は切り離せないから。」

私は念を押すかのように、麻生くんに言い切った。

「伊吹さんは陽輝くんの事を含めて、プロポーズしているんですか?」

蒸し返されたくない話に、私は渋い顔をする。

「美月さん。」

麻生くんが真面目な顔で私に迫る。

「答えないと、キスしますよ。」

私はうっと言葉に詰まる。

「それともやっぱり陽輝くんは伊吹さんの子供なんですか?でもそれならすんなりと結婚をしてもいいわけですよね。」

私は理系の麻生くんに理屈で攻め込まれている。

「私はこの家を出たくないの。私は陽輝と生きていく為に、この設計事務所を死に物狂いでやっていくしかないのよ。」

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