終わりは始まりか ~私達の場合~
私はお父さんにそう言うと、麻生くんを事務所の方へ促した。

そしてパソコンの前に麻生くんを座らせる。

麻生くんはきょろきょろと事務所の中を伺っているようだ。

「麻生くん、これが施主さんの希望の間取りなの。これを構造計算等考えて、清書してもらえるかな。」

私は施主さんが書いた手書きの図面を渡した。

しばらくそれをマジマジと見た麻生くん。

「美月さん、この家はちゃんと建つの?」

そんな麻生くんの言葉に私は笑う。

「それも含めて考えてくれる?今度の打ち合わせの参考図面にしたいの。」

「了解。」

麻生くんは早速マウスに左手を掛ける。

あれ…?私は不思議な違和感を抱く。

「私はインテリアボードを作ってしまうから。」

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