終わりは始まりか ~私達の場合~
「初めての約束ぐらい守ったらどうですか?」

そう言って麻生くんは私の手首をつかむ。

「俺は宮園さんと飲みたいんです。」

ハッキリそう言い切った彼の顔は真剣だ。

「そう、珍しい子ね。」

「子ども扱いしないで下さい。」

「だって私より年下でしょう。年上のお姉さんにそんな風に頑張らなくてもいいのよ。」

私は麻生くんの手を振り払おうとした。

しかしがっちり捕まっている麻生くんの手は離れない。

そして私と話していても無駄だと思ったのか、麻生くんはだまってそのまま歩き出す。

「麻生くん…、ちょっと…。」

私はそんな麻生くんに付いて行くしかない。

「どこに行くのよ。」

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