終わりは始まりか ~私達の場合~
「あっ、おはようございます。美月さん。」

麻生くんは何気に私に挨拶すると、仰向けになって陽輝をお腹に乗せた。

「おはよう、陽輝くん。」

陽輝はその体勢が心地いいのか、ニコニコと麻生くんを眺める。

「麻生くん、どうしてここで寝ているのよ。」

私はムッとした表情を、わざと麻生くんに向ける。

「…そうしたかったから。」

麻生くんはポツリと言う。

「ううん、美月さんの事が心配で覗きに来たら、思ったよりぐっすり眠っていて安心して…。」

そして少し恥ずかしそうな表情を隠すように、陽輝に向かって話す。

「二人の寝顔見ていたら、俺もそのまま寝ちゃったみたいです。」

「あのね、麻生くん。」

「あっ、大丈夫ですよ。何にもしていないですから。ただ美月さんに触れて寝ていただけですから。」

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