私という存在は、貴方からするとどんなふうに移っているのだろう
今日は、病院に行く日だ。学校に休む連絡を入れたあと診察券を色々用意し、家に鍵を掛ける。「今日は、何を言われるんだろう?」私は、左腕に目線を落とした。

── 病院 ──

『結城さん』そう呼ばれ、診察室に入った。「こんにちは、唯那ちゃん。」
「こんにちは、立花先生。」── この先生は、立花 春都(たちばな はると)先生だ。 ──「何時も"雪都"がお世話になっているようで」「いえ。それは、私のセリフですよ。」立花先生は、雪先輩のおにいさんなのだ。立花先生には、10年前からお世話になっているのだ。
「最近調子は、どう?」「あ、自傷の回数が減りました。」「何回?」「傷が癒えてからしか切ってません。」「見せて貰ってもいいかな?」「はい。」── シュルシュル ── ── パサ ── 「うん。前より回数が減ってるし、調子がいいみたいだね。」「そうですか…?」「うん。そうだよ」少し良くなったみたいだ。「"才の芽"は、閉じた状態だね。でも…まだ根が取れてないみたいだ。だから油断しないようにね。」「はい。分かりました。」

── 病院帰り ──

──!──「雪先輩!?」「あ……。ゆ…いなちゃん。」 雪先輩は、何故かボロボロだった。
「どうしたんですか!?」「いや大したことちゃうから」「病院行きましょ!?」「いや、大丈夫やで、心配ありがとう。」そう言うと思って予め、電話を繋げておいた。

── 数分後 ──「雪都!?お前どうしたんや!?」「あ……にき?なんでここに…。唯那ちゃんか……。」「すみません。雪先輩。勝手なことをして…。」「唯那ちゃんが謝ることじゃない。雪都何があったんや。」「いや、巻き込まれただけや、なんもないし、兄貴忙しいやろ。」「大丈夫や。」
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