Mirror Ball
ショップ店員に成りたいのでは無い。最も惹かれたのは、求人欄に記載されていた「社員登用有り」の六文字。
「求人票を拝見した時、正直ハッとしました。言うならば、御社に一目惚れしてしまった様なものです」
歯の浮く様な台詞を並べ、眞智子は採用され、自宅から三駅程先の支店に配属された。
店では売り場では無く、納品作業わ在庫管理をする裏方の仕事を任された。
眞智子以外の裏方の従業員は男性だったが、彼女は男顔負けに働いた。
始めはきつい肉体労働だったが、慣れて行くにつれて楽しく成り、やり甲斐も感じた。そこの根底に在る感情は、「普通の女の子には出来ない仕事をしている」と言う優越感だった。
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