勇気の魔法は恋の始まり。
ベッドに横になった娘に布団をかけると、娘はキラキラした目で私を見る。

「ままー、あかね、こいばな、がいいー!」

 娘の言葉に思わず苦笑する。

 恋バナなんて、どこで覚えたのだろうか。
 
 最近の小学生はませてるなー、と思いながら恋愛話を脳内検索する。

 結婚してからその手の話は聞く機会が格段に減少した。

 同世代もほとんど結婚し、みな育児に追われている。

「ねぇ、こいばなまだ?」

「いいけど…。ちょっと長くなるよ?茜、起きてられるの?」

「うん!明日どよーびだからいいの!」
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