チャンスをもう一度

明日イタリアに戻る前に
陽翔と望海は、ショッピングに出かけた。

桜雅は、本小路の両親と出かけて
いたので、
後で合流することになっていた。

赤ちゃんの服やお祖父様の
お土産等を見ながら買い物を済ませて
桜雅や本小路の両親との待ち合わせ
場所に行くと
「パパっ、ママっ」
と、桜雅。

陽翔も望海も手を振りながら
桜雅達のいるテーブルに近づいて行く

「パパっ、ゆりちゃんと、とおるちゃんに
お洋服買ってもらったよ、たっくさん。」
と、言う桜雅に
「そうか、良かったね。
百合ちゃんと透ちゃんに
お礼言った?」
と、言う陽翔に
「うん、言ったよ。
ねえ、ゆりちゃん。」
と、百合さんを見ると
百合さんは、嬉しそうに微笑んだ。

「お父さん、お母さん
ありがとう。」
と、望海が言うと
「あれは?これは?と百合が言うけど
あるよ、とか。大丈夫、とか
言って断るんだよ、桜雅は。」
と、お父さんが笑いながら話してくれた。

「ほんと、桜雅ちゃんたら、ちっとも
買わせてくれないんだもん。」
と、お母さんは肩をすくめるから
陽翔と望海は可笑しくて笑ってしまった。

五人でワイワイいいながら
楽しく食事をして席をたった。

桜雅は、百合さんと手を繋いで行き
透さんが、その後を歩いていく

望海が椅子から立ち上がるのに
陽翔は、手を差し出す
「ありがとう。」
と、いって望海が陽翔の手を握る
「大丈夫か?疲れてない?」
「うふふっ、大丈夫だよ。」
「それなら、良いけど。
     何かあったら言って。」
「うん、ありがとう。」
と、言うと
陽翔は、望海と繋いでいる手をあげて
そっと口を寄せる。

そのしぐさを望海は赤面しながら
見ていると
「パパっ、ママっ、帰るよ!」
と、桜雅に言われて
顔を見合わせて
二人でクスっと笑いながら
桜雅の元へ急いだ。
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