チャンスをもう一度
え**4️⃣四年生**陽翔

陽翔・・・

お袋(和美)から電話・・珍しい
「はい。」
「陽翔、元気にしてるの?」
「ああ、母さん達は?」
「お父さんもお母さんもかわりないわよ。
あなたも、たまには連絡しなさい。」
「ごめん、ごめん。忙しくて」
「なにが、忙しいんだか?
まさか、好きな子でもできたの?」
「うん、まあね。」
「あら、本当に。陽翔がね。」
「俺にだって恋人いるんだよ。
で、なんか用事あったんだろう。」
「あなたは、難しいし
あれ以来、そんなそぶりなかったから
なんだか、ホッとした。
ああ、西本さんが転勤先から
戻ってくるの
春美さん(絢菜の母)が
陽翔君にも引っ越し手伝ってもらえると
助かると言われて。
絢菜ちゃんも楽しみにしているみたいよ。」
「へぇ、西本さんとこ
帰ってくるんだ。
わかった、日曜日の朝帰るよ。」
「そう、わかった。
じゃ、気をつけて帰るのよ。」
「ああっ、わかったよ。」
と、話して切った。
帰ってくるんだ・・絢菜。

絢菜とは、物心ついたときから
ずっと一緒で。

お互い兄弟もいないからか
仲もよくて、小学何年生からか
付き合うようになっていた。

保育園から高校まで一緒。
中学二年生の時に絢菜を抱いた。
絢菜にも、俺にもはじめてて
あたふたしたなぁ。
ファーストキスも絢菜だ。

叔父さんの海外転勤が決まり
絢菜は、かなりごねた。
俺の母さんが見かねて
家で預かると言ったが
叔父さんは、ダメだと言って
連れて行った。

俺達は、何度も話し会って
自分達は依存しあっているんじゃないかと
お互いに離れて見直してみようとなった。

高校に上がると小学校や中学校と違い
色んなとこから生徒がやってくる。
同じ小学校や中学校のやつらは
俺達の事を知っていたから
何事もなかったが
高校では、色んな出会いもあり
友人も増えてきて
話していたりすると
絢菜が邪魔してきたり
怒ったり拗ねたりで
いささか辟易している俺がいた。

友人達からも
『なに?お前の彼女なの?
しばられてんな。』
と、言われたり
『陽翔の彼女うざいから
陽翔は、また今度な。』
とか、言われたり
その事で、
「俺の友達になんか言った?」
と、訊ねる聞と
絢菜は、平然と
「うん、私達一緒に通学してるから
陽翔を誘うなら一緒に。
でも、あまり誘わないで。ってね。
だって、一緒にいる時間が
少なくなるでしょ。』
と、腕を絡めて甘えてくる。

俺は、その手を離して
「なんで、勝手にそんな事を
いってんだよ。
俺の友達なんだよ。
絢菜には関係ないよな。」
と、言うと
「なんで、そんな事を言うの。
友達は、小学校や中学校の人達だけで
いいじゃない。
みんなは私達の事を知っていたから
邪魔もしないし。」
「はぁ?お前のそういうとこ
うんざりなんだよ。」
と、喧嘩になる。
そんなことが多くなっていた。
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