チャンスをもう一度

絢菜は、なんとかしないと
陽翔が壊れてしまうと思い
陽翔を、まずは寝かせないとって思い
飲み物に少量の睡眠導入剤を入れて
口移しに飲ませた。
陽翔はされるがままだった。

少したつと
陽翔の体が揺れて来たので
和美を呼んで陽翔をベッドに連れ行き
寝かせた。

私も陽翔に助けてもらったからと
絢菜は和美に頼んで陽翔の側に
置いてもらった。

和美は、心配でも、
ずっと付いていることも出来ないから
日中は、お願いした。
まもなく陽翔の仕事も始まる・・・

陽翔が目を覚ましたのは
翌日の夕方だった。
「陽翔、起きた?」
と、絢菜の声かけに
ボォーっとした頭で絢菜を見た陽翔は····
ポロポロと泣き出して
手を差し出した。

絢菜は、嬉しくて
陽翔を抱きしめ返すと
「ごめんね、ごめんね
辛い想いをさせて
本当にごめん。
もう絶対にしない。
だから、離れていかないで
     ・・・・望海・・」
と、言った。

その名前に一瞬·····

えっと!離れようとした絢菜だったが
陽翔がガッチリ抱きしめていたから
動けずに
そのままベッドに引きずり込まれて
望海・・望海・・・
と、言われながら
抱かれた。

欲を出して寝てしまった陽翔を
見て絢菜は、涙が流れた。

だが、代わりでも
今、陽翔の側にいるのは私で
私がいないと陽翔はダメになると思った。
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