チャンスをもう一度

新居は、2LDKで
赤ちゃんの部屋
リビング、キッチン
寝室となっていた。
赤ちゃんの部屋と寝室は
隣同士にした。

寝室といってもシングルのベッドが
二つ入っているだけだった。

「ベッドは、一つで良いよ。」
と絢菜は何度も言ったが、
陽翔は頑として聞き入れなかった。

後の事は、全て絢菜の意見で決まった。

陽翔は、朝出社して遅くに帰る。

「まだ、一人前でないので大変だ。」
と、言っていた。

それでも、身重な絢菜の体に気遣い
ご飯も無理に作らなくて良いとか
買い物も休日にまとめてやってくれたり
赤ちゃんの服を見にいったり
絢菜は、大事にされてるのは良くわかった。

それは、お腹の赤ちゃんの為かも
しれないが、それでも絢菜は嬉しかった。

陽翔も赤ちゃんを
心待ちにしている証拠だと。

ただ·····新婚さんらしいことは
何もなかった。

朝の行ってきますのキスとか
帰ったよのハグとか
お風呂に一緒に入るとか
まったく·····ない······

ベッドも別・・・
陽翔は、
『おやすみ』と言うと
直ぐに寝てしまう。

絢菜は、赤ちゃんがいるから
我慢しているのだと
そう思うようにしていた。