チャンスをもう一度

予定日になり
無事に赤ん坊が生まれた。
女の子で、西本のお義父さんが
晶輝（あき）と命名した。

俺が、お義父さんに名付けを頼んだ。
透き通った綺麗な心で輝いてほしい
と、言う意味だと教えてくれた。

晶輝は、スクスクと成長してくれた。
絢菜は、お義母さんや
俺の母さんに助けられて
子育てに奮闘していた。

夫婦としては、良くわからないが
家族としては
うまく回っているとおもう。

そんなある日
絢菜と晶輝を連れて買い物にいく事に・・・

電車に乗り、窓から外を見ていると
「の・・ぞみ・・っ・・」
望海がいた。
電車を待っていたようだ。
突然立ち上がった俺に
絢菜は、何事かと・・・
絢菜は、咄嗟に陽翔の手をとった。
陽翔もその手に”ビクン“となりながら
椅子に腰かけた。
頭の中は、望海でいっぱいだった。

変わらずに綺麗で
いや、あの頃以上だ・・
元気にしていたんだ。
と、ホッとした気持ちと
切ない気持ちでいっぱいだった。

そんな、俺を絢菜が
辛そうに見ていたなんて
その時、俺は気づいてなかった。