チャンスをもう一度
「送るよ。」
と、陽翔に言われて
「えっ、いいよ。」
「何がいいんだよ。またいたら大変だし
心配で、帰れないよ。」
「あっ、うん。でも、ごめんね。」
「歩きながら話しても?」
「えっ、うん。」
と、言うと
陽翔は、望海の手を取り
手を繋いで歩いた。
「‥‥ひっ‥‥かる?」
「まだ、怖いだろ。」
と、言われて
なぜ、わかったのだろうと
思っていたが‥‥‥‥

陽翔は、
「望海、あの時は傷つけて本当にごめん。
勝手な行動で望海の気持ちを無視して
本当にすまなかった。」
と、歩きながらだが頭を下げた。
望海は、
「もう、昔の事だよ。
陽翔の大切な人は、私でなくて
幼馴染みの人だってわかった。」
「ちっ、違う!!
そんなことない、絶対。」
「ううん、違わない。
陽翔が気づいていないだけだよ。
あっ、陽翔、そこを曲がるの。」
「ねぇ、望海。
きちんと話がしたい。
今日は、もう遅いから。
日を改めて。」
「終わった事だと・・」
「いや、聞いてほしいんだ。
望海には、迷惑かもしれないけど頼む。」
望海は、もう聞くのも辛いからと、
思うが陽翔があんまり真剣に言うから
「・・うん、わかった。
きくね。私も前に進みたいから
あっ、陽翔、ここだよ。」
「えっ、ここ?」
綺麗で大きなマンションだった。
「うん、凌もね。」
「西園寺も?」
「同じ部屋じゃなくて
隣同士ね。」
「そうなんだ。
あっ、望海連絡先教えて。」
「えっ、うん。」
と、言ってる間に
陽翔に登録された。

早い!!

陽翔は、マンションの部屋の入り口まで
送ってくれて
私が部屋の鍵を中からしめると
携帯がなり
「おやすみ、一人で大丈夫か?
怖くなったり、不安になったら
連絡しろ。」
と、いった。
「うん、ありがとう。
陽翔も気をつけて帰ってね。」
と、いうと
「本当は、そばにいたいけど。」
「大丈夫、心配ないよ。
陽翔が助けてくれたから。」
「望海っ・・のぞみっ・・・
・・・・いやっ・・おやすみ。」
「うふふっ、変な陽翔。
おやすみなさい。」
と、言って携帯を切った。

陽翔は、愛してると
言いたかったが、言っては
いけないと我慢した。

望海は、シャワーを浴びて
軽く食事をした。
シャワーの時にあの男が掴んだあとが
赤くなっていたので湿布をはった。
見えなくなると
少し落ちついた所に
陽翔からLINEが来て
『家についた。
大丈夫か?一人で眠れるか?』
と、来て
おかしくてクスクス笑った。
『大丈夫だよ。
捕まれたところが少し赤くなっていたから
湿布をしたところ。』
と、返すと
『痣になってたの?
あいつ殴ればよかった。』
と、きたから
『いいよ。怖いからやめて
陽翔が、怪我したら大変。』
と、返してから少しだけやり取りをして
ベッドに入った。

疲れもあり、恐い思いもしたけど
陽翔のおかげで
何時までも引きずることなく
眠りにつけた。
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