チャンスをもう一度

絢菜には、わかっていた。

陽翔の中には、ずっとあの人がいて
ずっと忘れられないし
私が、どうあがいても陽翔の心から
あの人を追い出す事は、できないと。


だが、陽翔が誰を想っていても
夫婦である結びつきだけが
唯一あの人に勝てる物だった。

絢菜は、晶輝を連れて
一度、あの人を見かけた駅にきた。

夕方になるとあの人が駅に現れた。

彼女は、私の顔を見て
びっくりしたようだが
「少し、良いかしら?」
と、言うと
「はい。」
と、言ってついてきた。

私達は、近くのカフェにはいった。
「陽翔にあったのですね?」
と、言うと
「はい。変な男性に声を
かけられているところを
助けて頂きました。」
望海は、絢菜がどこまで知っているのか
わからないから本当で無難な事を話した。

「陽翔と再会して
盛り上がってもらっても困るの。
この子がいるし
陽翔は、この子の父親なんだから
わかってくれますよね。」
と、言うと。

青ざめた顔をしている彼女に
大丈夫なのかと思ったが
釘をさしてそこから引き上げた。
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