チャンスをもう一度
し**決断
マンションに戻って
少し横になってから
凌に作ってもらったスープと
ゼリーを少しだけ食べた。
今は、口にいれても直ぐに戻して
しまう・・・
今日は、凌が背中を摩ってくれて
水をくれた。
「・・凌っ・・ありがとう。」
「何を言ってるの。
でもきついね、大丈夫?」
「うん。ずっと悩んでいるからだと
思っていたの。まさか赤ちゃんが
いるなんて・・・
でも、不思議なの
赤ちゃんがいるとわかると
辛さもあまりないの
凌・・私ね
イタリアに行く。
お祖父様には、叱られると思うけど
日本にいると、しがらみがあるから。
お父さん、お母さんにも
きっと叱られるよね。」
「まったく、あなたはなんで?
ああっ、もう、わかった。
私もイタリアに足を運ぶから。
一人なんて思わないでよ。
それに、透ちゃん、百合ちゃんに
話すときは、一緒だから。
わかった?」
「うふふっ、ありがとう凌。
凌がずっと一緒にいてくれたから
私は幸せなんだね。」
「ばかっ、私も望海が一緒だから
幸せなんだよ。」
と、言って二人は抱きあって泣いた。
お父さんもお母さんも
すごく驚いていたが
私の考えを受け入れてくれた。
人の事ばかり気にやむ娘に
二人は、誇らしいような、
辛さが沸くような複雑な思いだった。
だが、母・百合は直ぐに
イタリアの父親に連絡をした。
父は、プライベートジェットの
手配をしてくれて、
直ぐにイタリアに来るように手配した。
そんな祖父だが
藤本君に激怒して
藤本君は抹消され兼ねなかったが
望海が彼を本当に愛していて
その為の決断したことだと話した。
それに、望海自身がお祖父様の所に
行くことを決めて、お祖父様の元に
早く行きたいといっていると話すと
父は、望海が来ることには
大賛成だが、傷つくような恋をして
また、傷ついて・・・と怒りはまだあったが
渋々納得してくれた。
でも百合も透も本当は
娘が不憫でたまらなかった。
幸せになってもらいたいのに。
“藤本陽翔”と言う男性に関わらなかったら
と、思わずにはいられないが
本人の望海が
愛する人の子供がお腹にいる
喜びで幸せを感じているから
それで“よし”と思うようにした。