チャンスをもう一度

陽翔が話し始めようとすると
絢菜の父・一彦が陽翔を制止して
「絢菜、お父さんもお母さんも
陽翔君から全ての話を聞かせてもらった。
もう、いいんじゃないか?
各々の道を進んで。」
「・・どうして‥‥‥‥?嫌よ!!」
「大学の四年生の時から
ずっと、お前の為に陽翔君も
藤本さん夫妻も、良くしてくれた。

お父さんもお母さんも
感謝こそしても恨んだりとか
まったくないんだ。

お前にも、もうわかっているんだろう。
陽翔君は、晶輝の事も色々考えてくれた
もちろん、お前の事も。
それに、お父さんは
お前に‥‥いやっ、絢菜に心から
幸せになって欲しいんだ。

お互いが向き合い
愛し、愛される本当の家族を作って欲しい。

今のお前達は、家族ではないよ
お互いが気を使い、明日に不安を抱えて
安らぎには、ほど遠い。」
と、言うと
絢菜は、ボロボロ涙をこぼしていた。

「絢菜、本当にすまない。
好きになろう、愛していこうと
家族を大切にしていこう
何度も何度も考えた。

だが、結局、出来ずに・・

絢菜や晶輝を
傷つけてしまい・・すまない。」
と、陽翔は頭を下げた。

絢菜が答えられずにいると
母・春美が
「例え違う道を進んでも
晶輝にとって、二人は晶輝の大事な
お父さんとお母さんなんだよ。」
と、言うと
晶輝が、「ねぇ・・」
と、ニコニコしながら言うのを見て
「・・・陽翔・・今までありがとう。
本当は・・わかっていたの
陽翔の心には、あの人がいると。
でも、それでも一緒にいたかった。
だけど・・・
私も晶輝には、愛し愛される出会いを
してほしい。
陽翔も幸せになって。
お義父さん、お義母さん
今まで本当にありがとうございました。
お義父さん、お義母さんの娘になれて
本当に嬉しかった。」
と、言うと
透は、
「例え陽翔と夫婦でなくても
絢菜ちゃんは、私達の娘で
晶輝は、可愛い孫だよ。
いつでも頼って欲しい。」
と、言うと
絢菜は、涙が流れ
何度も頷きながら
「ありがとうございます。」と、言った。
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