チャンスをもう一度

信吾は
「すまないね。家も今私が一人なんだ。
だから、一緒に飯でも食べよう。」
と、誘った。

陽翔は、遠慮したが
「そう言わずに」
と、信吾に言われて
出前をとって一緒に食べた。

信吾は、沢山の従業員を抱えているだけあって
話も上手く、聞き上手でもあった。

陽翔は、今までの事を全て話した。

離婚もして、身の回りもきちんと
出来たから望海に連絡したが
携帯は繋がらない。

マンションにもいなくて
実家でも会えない事も。

「必ず迎えに行くから
信じて待っていて欲しいと‥‥‥
言ったのに。」
と、項垂れる陽翔に
「望海は、君を愛しているが
君と前の奥さんとの間の子供さんの事を
考えたんだろうな
君が離婚しているのも知らないからな。」
「私も望海を愛しています。
いついかなるときもそれは揺るぎません。
ですが、望海が晶輝の事を気にしているのは
わかっていました。
私も、途中何度も連絡をしたかった
望海の声が聞きたかった
ですが、中途半端だと望海がまた
傷つくことになるかもしれないと
思い連絡しなかったのですが
こんなことなら連絡しとけば
良かったのか
私は、どうしたら・・・」
「君達は、お互いが優し過ぎるんだな。
いくら私と望海の家が仲が良くても
望海の話を何でもするわけには
いかないからな。
だが、私は君、嫌、陽翔君と話して
陽翔君が嘘を言ったりしていないことも
望海の事を本当に愛している事も
良くわかったから
少し私に時間をくれないかな」
「西園寺さんにですか?
私の事で、西園寺さんを巻き込んで
良いのでしょうか?」
「構わないよ。
望海の為でもあるしね。
また、連絡するから
待っていてくれ。」
「はい、ありがとうございます。
宜しくお願い致します。」
と、言って連絡先を交換して
陽翔は、西園寺家を後にした。

陽翔が帰ってから、信吾は透に連絡した。
透は、まだイタリアに入ってなくて
インドにいた。

信吾と話をして
透は、一度日本に帰国する事にした。
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