チャンスをもう一度

執事の人より案内されて
一つの部屋の入ると

大きな机と椅子
立派な応接セットが
置かれていた。

椅子に座って電話の応対をしているのが
望海のお祖父様で
ジョンアルマーニさんだ。

かなりの年であるはずの彼だが
声にも張りがあり
若々しく見えた。

電話が終わりこちらを向いた
アルマーニさんは、桜雅に近より
頬を撫でた。

桜雅もキャっ、キャっと
言っていた。

透さん、百合さん、望海は座っていたが
俺は、ソファーから立ち上がり
『初めまして、藤本 陽翔と申します。
前回、今回とご迷惑、ご心配を
お掛けしまして、
申し訳ございませんでした。』
と、イタリア語で陽翔は挨拶をした。

百合、透、望海はびっくりしていた。

陽翔がイタリア語が話せるとか聞いて
いなかったので。

アルマーニさんは、ジロリと俺を見て
『大学の事も、今回の事も聞いている。
二度と合わせるつもりはなかったのだが
百合と望海の願いだからな。
だが、本当に君は今から
望海を護って行けるのか?
一生変わらぬ愛を誓えるのか?』
『私は、大学の時から
愛しているのは望海さんだけです。
それはいかなる時も変わりません。
望海さんと桜雅、そしてこれから
生まれてくる子供達も
護って行きたいと思っています。
それは、望海さんが側にいることが
絶対な事ですが。』
と、言うと
『フン』
と、苦笑いをした。
『ジョン・アルマーニさん
お孫さんである
本小路 望海さんとの結婚を
お許しいただけないでしようか?』
と、言うと
アルマーニさんはニヤリと笑って
『望海との結婚を許す代わりに
条件がある。』
『『『お父様・おじいちゃま・お義父様』』』
と、三人が色めき立つと
陽翔は、三人を制止して
『条件とはどのような?』
『他でもない、
本当に望海の婿に向いているか試す
一年わしの下で働きなさい。』
『『『ええーっ』』』
と、言う三人に
『わかりました。
ですが、今の会社の上司にとても
良くして頂きましたので
今私がやっている仕事を片付けてからで
良いでしょうか?』
『わかった。いつこちらにこれそうだ?』
『ひと月後には。』
『退職するのか?』
『はい。半端な事で会社に迷惑を
かけたくありませんし
保険をかけた状態で
お祖父様の仕事をやりたくありません。』
『フン、使い物にならなかったら
いくら望海の旦那でも会社には、
おくつもりはない。』
『はい。その時は自分で次の仕事を
みつけますので大丈夫です。』
と、言うと
百合も透も望海もお祖父様を
睨んでいたが
陽翔は楽しそうにしていた。

お祖父様も満更ではなかった。

お祖父様は、すぐにでもと
急がせたが、
百合さんと透さん
そして望海が
「「「陽翔は一週間の休暇で
きているから、その後で。」」」
と、言ったら
ジョンアルマーニさんは、渋々納得した。
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