Je veux le protéger
promise.1

風南side



「きゃぁぁぁぁあーー!」



空き部屋の窓側の席で寝ていたら聞こえてきた悲鳴。

恐怖とかではない、歓喜の悲鳴。



『うるせぇ』


「風南(かなん)、仕方ねぇじゃん。
雷光(らいこう)が来たんだから。」




雷光。
全国No.2の暴走族。

俺、赤神 風南(あかがみ かなん)の双子の弟が副総長をつとめる暴走族だ。


赤神 理櫻(あかがみ りのん)。
それが双子の弟の名前。


そして、今現在隣に座っている男だ。



『お前の族だろ』


「俺のじゃないよ?
だって、おれ副だから。」


『……屁理屈かよ。』




クスクスと笑う理櫻。



「つかさぁ。
最近転入してきたやつ、大丈夫なの?」


『転入?』


「え、まさか風南知らねぇの?」



最近まともに教室行ってねぇからなぁ。
転入生なんて存在、今はじめて知った。

この学校、テストさえよければ卒業出来るし。



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