Je veux le protéger
「あの時……僕が意識不明になったあの事件の時は風兄が気がついてその子の計画を止めたみたいだけど、今度はそのターゲットに雷光が選ばれた。
風兄たちはタイミングよく、僕の意識も戻ったから動くことを決めたみたい。
銀の髪のお姫様……優乃ちゃんはあの時は銀龍の総長だった。」
『…………。』
優乃が銀龍の総長……。
まあ、銀の髪を見た時になんとなく察したけど。
「偶然が偶然を呼び必然となり、優乃ちゃんは今回僕たちに手を貸してくれてるの。
雷光を裏切る素振りをしてもらったのはその子の計画が筋書き通りに進んでいると思ってもらうため。
こっちの計画に優乃ちゃんにも雷光のみんなにも辛い思いをさせちゃってごめんなさい。」
静かに頭を下げる風櫻を薫はそっと起こす。
謝るのはこっちだ。
何も知らないくせに守ろうとしてくれた奴らを疑ったんだから。
周りが見えていなかった証拠だ。
「ここまで話したところで協力のお願いと情報提供のお願い。」
『協力と情報提供?』
「うん。」
『……説明してもらえるか?』