Je veux le protéger
promise.6
風櫻side
雷光の力を借りて櫻兄の居場所を探っていたら、突然メールを知らせる音が鳴る。
携帯を見てみると相手は風兄でたった一言〝見つけた〟とあるだけ。
場所書けよ!って思ったけど、多分風兄は僕に来てほしくないんだろうな。
分かる。
分かるよ。
誰よりも家族思いのお兄ちゃんだもん。
僕が意識不明になって一番自分を責めてたって、兄さんが言ってたもん。
でも、だからこそ行かないといけないと思う。
前とは違うんだよって言って、仲間はずれにしたことを怒ってやるの。
僕だって家族が大切なんだから。
どこにいる?
考えて。
落ち着けばきっとわかる。
焦らないで。
そう落ち着いた時、ふと頭の中を兄さんの言っていた言葉がよぎった。
〝居場所は多分お姫様のところだろうなぁ〟
僕が退院した日に風兄と電話した兄さんが、電話を切って小さく……本当に小さく呟いた言葉。
その時は全く気にしなかった。
……って言うか、ちゃんと聞き取れていなかったから。
だけど、よく考えるとそう言ってた。