Je veux le protéger




『お姫様のところ……』


「え?」





僕のつぶやきに雷光の総長さんが反応する。





『居場所分かった!』


「ほんと!?」




来夢くんの問いかけに大きく頷く。

お姫様の居場所。

それは町外れにある使われなくなった倉庫。

二年前、Dunkelheitが潰しに行って、風兄と櫻兄の判断で結局潰さなかったグループがある溜まり場。

グループの名前は無いし、族ってわけでもない。

けど、族って言ってもいいくらいに人はいる。
なんとも不思議なグループ。

けど、その全てが過去に何かあって前へ進む勇気がもてない人だって兄さんが言ってた。

だから、持て余した勇気を違う形で使ってるんだって。




『町外れにある使われなくなった倉庫。
そこにきっといる!』


「なら、向かおうか。」


「風櫻はバイク……ってわけにはいかねぇからな。
車まわさせるわ。」


「もうしてある。」


< 112 / 143 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop