Je veux le protéger
蒼さんと薫さん、来瑠くんがそう言う。
流石、櫻兄のお気に入り。
……というか、お気に入りじゃなくて居場所なのかな。
『心の準備はいい?』
「もちろん。」
「「当たり前(でしょ!)」」
「ま、やるしかねーよな」
「馬鹿なやつに一発殴る。」
ふわりと笑う蒼さん。
綺麗にはもる双子……来夢くんと来瑠くん。
ケラケラと笑い余裕そうな薫さん。
風兄が何かを決意した時のような、櫻兄が誰かを信じる時に見せるような、真っ直ぐ何かを射抜くような目で前を見据える総長さん。
それを見てなるほどと思う。
この族だから櫻兄は副総長をしてるのか。
この族だから風兄は気に入ってるのか。
Dunkelheitとよく似てる。
ぶっきらぼうで、正直じゃなくて。
それでも誰よりも仲間を思っていて。
そんな族だから、兄たちは動いたんだろう。
『なるほど。
僕も気に入ったかも。』