Je veux le protéger
風南side
鈍い音が鳴り響く町外れにある使われなくなった倉庫の中。
俺と理南は壁にもたれて乱闘の様子を見ている。
といっても、押しているのはDunkelheit。
俺たちだ。
「……っ」
「理櫻くん、大丈夫?」
俺たちの隣で半ば無理矢理に座らされ銀の髪のお姫様に手当をされてる理櫻。
そりゃ染みるわな。
かなり派手にやられたみたいだから。
まあ、相手を甘く見たこいつの責任。
自業自得だ。
「平気。」
『おい、理櫻。』
「んー?」
『なんで逃げなかった?』
こいつなら逃げれたはずだ。
縄くらい無理やりにすれば外せないこともなかった。
多少手に怪我や摩擦痕は出来るだろうがな。