Je veux le protéger





「いやー、あれは無理だって。」


『…………嘘だな』


「なんでさ。」


『お前、試してもねぇだろ。』




抵抗してたなら擦り傷くらいはできる。

けど、それすらもない。

ってことは、そもそもこいつは逃げようとすらしていないことになる。




「うぇー。
そんな所までお見通しかよ。」


『ちょっと見てればわかる。』


「そんなん見抜けるの、風南くらいだって。」




ケラケラと笑い飛ばす理櫻。

やっぱり馬鹿だ。




「理櫻くん……なんで抵抗しなかったの?」




手当てを終えたのを見計らって差し出した俺の手を借りて立った理櫻に問いかける銀の髪のお姫様……柴。



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