Je veux le protéger
「信じたかったんだよ。
あいつを。」
『………………お人好し。』
「風南も人のこと言えねぇだろ。」
会話に突然入ってきたのは理南。
うるせぇ。
そんな気持ちを込めて睨む。
「そんな睨むなよ。
あのガキの処分を雷光に決めさせるなんて、お人好しすぎるだろ?」
『……あれは管轄外だ。
雷光に任せるさ。』
あとのことなんてめんどくさくてやってられるか。
俺はここを潰せればそれでいい。
あとの処遇がどうなろうと知ったこっちゃない。
それは、雷光の問題だ。
「やっぱりお人好しだよ、お前も。」
フッと笑った理南は壁にもたれていた体を起こし、乱闘の中へ向かう。
俺達が手を出すまでもなく相手のほとんどが倒れていて、立っているのは5人。
おおかた取り仕切るメンバーってところだろう。
まあ、ひとりを除いて後ずさりをしてるから大したことは無い。
めんどくさいと思いながらももたれていた体を起こし、理南のあとを追う。