Je veux le protéger
理櫻side
風南が乱闘の中へ向かったから、今は優乃とふたりきり。
銀の髪が時折風で揺れる。
『なぁ、優乃。』
「ん?」
『これからどうすんの?』
「どうしようかなぁ。
手加減したとはいえ下の子を殴っちゃったからなぁ。」
寂しそうに笑う優乃。
『あれは俺らの計画のためだ。
だから……「でも、実行したのは私。」…そうだけど。』
俺の言葉を遮ってきた優乃は真っ直ぐな目をしていた。
「その葛藤に気づけなかったのは俺たちだろ、優乃。」
『「っ!?」』
突然聞こえた声に身構える。
けど、その視線の先にいたのは雷光の幹部メンバーと風櫻。
『なんでここに……』
「僕が連れてきたの。」