Je veux le protéger
「てめぇのやったことはただの八つ当たりだ。
何も分からない?
当たり前だろ。
俺らはお前じゃねぇ。」
健の前に立った風南はポケットから手を出して思い切り健を殴る。
ただ、健が踏ん張れる程度の力しか出してなかったのか健が後ろに倒れることはない。
口の中が少し切れたくらいだろう。
「過去を抱えないやつなんていねぇんだよ。
どんなやつも過去を抱えて生きてんだ。
過去を抱えねぇやつはつまんねぇやつなんだよ。」
低く地をはうような声。
それでいて、聞きやすくてすっと耳に入ってくる声。
「あとは雷光の仕事だ。」
「けど……俺は裏切り者で……」
「知るか。」