Je veux le protéger





「理櫻大丈夫?」


「無理しちゃダメだよ?」


「肩かそうか?」


「それくらいの怪我歩け……ゲフッ」




心配してくれた蒼と来瑠、肩をかそうとしてくれた来夢。

それとは逆に心配のしの字もない薫。

ムカついたから薫にケリを一発入れた。




『自分で歩けるから平気。』




そう、薫以外に返して那智のあとを追う。

風櫻は風南に文句を言うんだって張り切っていたから、こっちに戻ってきた風南はしばらく捕まるだろう。

………………可哀想に。





「健。」





そう思った時、那智は健を呼ぶ。

下げていた頭をゆっくりと上げると、目に涙を溜めていてそれを零すまいと耐えている健の表情が見える。



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