Je veux le protéger
理櫻が少し怯え気味の主犯であるお姫様……健くんを突き出す。
風南はめんどくさそうに、それでも真っ直ぐ彼を見つめている。
「すいませんでした。」
「……なにが。」
「あなたの弟を傷つけ、その後もいろいろした事。
そして、ありがとうございました。」
「……謝罪はともかく礼は言われる意味が分からない。」
「俺を許してくれた。
その判断は貴方が筋書きを立ててくれていたからです。」
「………………。」
風南は黙って聞いている。
「俺、たくさん考えたんです。
そして出した答えは雷光を抜ける事でした。」