Je veux le protéger
風南のその言葉にこの場にいた全員が息をのむ。
言葉にじゃない。
その表情に……だ。
無表情が基本で、笑っても怒っても僅かにしか変わらない風南。
それが、恐ろしいほど優しく綺麗に笑った。
『……なぁ、風南。』
俺の呼び掛けに、無表情に戻った風南はちらりと視線を向ける。
『今さ、Dunkelheitの幹部メンバーって二人しかいないんだけど?』
総長である風南と、幹部候補だった俺がつとめる副総長。幹部の椅子が空いてる。
風南は俺の言葉に目を閉じ何かを考えてる様子。
理櫻は納得したように笑っていて、他のメンバーは何のことかわからない様子。
「…………………………………………。」
沈黙。
そして、風南が何かを決めたように目を開くと真っ直ぐ彼を見る。