Je veux le protéger
理櫻side
『‥‥ただいま。』
無駄に大きい家。
母さんと父さんは海外を飛び回っててほとんど家にいない。
滅多に会わないからたまに会うと絡みがウザイ。
だからたまに両親が帰って来た時は、家に帰らないようにしてる。
まあ、いなくても滅多に帰らないんだけどね。
「お帰りー」
『兄さん、帰ってくるの早いじゃん。』
「お前らのこと呼んどいて俺の方が遅かったら、お前らそのままどっか行くだろ?」
『まぁね。』
俺の返しに やっぱりか。と笑う俺達の兄。
赤神 理南。
紅がかった茶色の瞳に、藍色に染められた髪。
普段はコンタクトだが、家仕様なのか黒縁のメガネをかけている。
『今日は帰ってこいなんて、突然どうしたのさ。』
「それは、風南が帰ってきてからな。」
『は?
風南、まだ帰ってきてないの?』
俺より先に学校出てたよな?
何やってんだ、あいつは。
「あいつのことだ。
夕方にならないと帰ってこないだろ。」
『信じらんねぇ。』