Je veux le protéger
まっすぐ家に帰ってきた俺って何なの。
どっかで時間潰してくればよかった。
兄さんのことが嫌いなわけじゃないけど2人きりってのがなんか嫌だ。
俺達より2つ年上の19の兄さん。
さすがと言うかなんというか‥‥俺の兄さんってだけあって、楽しいこと大好きな性格だ。
そんな人と2人なんて、嫌な予感しかしねぇしな。
「なぁ。」
『ん?』
いつもはうざい絡みがあるはずなのに、リビングのソファに深く腰掛けて俺を真っ直ぐ見てる兄さん。
珍しいこともあるもんだ。
「最近、学校で変わったことなかったか?」
『変わったこと?』
「例えば、銀姫が転入してきた‥‥とか?」
『‥‥‥‥‥‥知ってるなら聞くな。』
「俺にも確信がなかったんだ。
そう機嫌を損ねるな。」
別に機嫌を損ねているわけではない。
ただ、分かってることを知らないふりして聞いてくる兄さんを不愉快に思っただけだ。