Je veux le protéger
no side
ドガッ!!
ドスッ!!
鈍い音が鳴り響く路地裏。
喧嘩というよりも片方のグループがもう片方のグループに一方的に殴られているといった感じた。
殴られている方は雷光幹部のふたり。
白刃薫と結城蒼。
どちらもなんとか受け身はとっているようだが、反撃は許されない。
殴っている側はぎりぎり受け身が取れる程度で攻撃しているといった形だろう。
殴っている側の人数は4人。
全員が黒のフードを被っていてそれぞれ黒髪にメッシュが入っている。
殴っている側といっても実際に殴っているのはオレンジのメッシュを入れているひとりだけだ。
赤いメッシュが見えるふたり目は壁にもたれてタバコを吸っていて、翠のメッシュのもうひとりはタバコの煙を鬱陶しそうにはらっている。
青いメッシュの4人目はタバコを取り出して赤いメッシュに火をもらっていた。
「お前ら……何者だ……ッ!?」
問いかけるのは白刃薫。
既にふたりは限界で、逃げ出すことも出来ずにいる。