Je veux le protéger
那智side
「「薫、蒼!?」」
「その怪我どうした!?」
土曜日。
俺たちは倉庫でくつろいでいた。
いつも一番早い蒼と、なんだかんだで蒼の次には来ている薫が来てない時点でおかしいとは思っていたんだ。
嫌な予感ほど当たるもので、傷だらけで倉庫に来たふたり。
普段声を荒らげることのない来夢でさえも驚きで声を荒らげ、冷静な理櫻もふたりに詰め寄る。
『何があった?』
こんな時ほど俺はしっかりしてねぇと。
ふたりをこんなにした奴への怒りとか、ふたりの怪我の心配とかはあるけど、このふたりがここまでやられる原因を知らないといけない。
そのことを十分に理解してる蒼に、意外と一番しっかりしている薫が状況を話してくれる。
ふたりに詰め寄った理櫻も深呼吸をひとつしてパソコンに向き合った。
ふたりの話を打ち込んで整理するためだ。
情報処理の腕がすごいからな理櫻は。
まあ、普段は蒼がするんだけど。
「昨日、倉庫から帰る途中に路地裏でレイプ現場を見かけてね。
そいつらを俺と薫で止めに入ったんだ。」
『そいつらにやられたのか?』