Je veux le protéger




俺が問いかけるとふたりは顔を横にふる。



「そいつらは大したことなかったけどな。

被害者の人のご両親に来てもらって安全を確認したと思ったら黒のフードを被ってた4人に囲まれたんだ。」


『フードの4人?』


「うん。
それぞれ黒髪に色違いのメッシュを入れてた。」


「俺らを殴ってたのはひとりだけだ。」



黒のフードを被っている、色違いのメッシュ……。

そして、ひとりで幹部ふたりをここまで痛めつけられる力。

このキーワードが当てはまるのは俺の記憶ではたった一つしかない。

けど、そんなこと……。




「メッシュの色は俺らを殴ってた奴がオレンジ。

壁にもたれてタバコをすっていた奴が赤いメッシュ、そいつからタバコの火をもらっていたのが青いメッシュ。

タバコの煙を鬱陶しそうにはらっていた奴が翠のメッシュ。」


「そいつらは、最後にこう名乗った。」


「「Dunkelheit」」




ふたりの声がはもり、部屋に沈黙が訪れる。

この部屋にいるのはDunkelheitに助けられた奴か憧れている奴だから。

まさか……Dunkelheitがこんなことするなんて。



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