Je veux le protéger
『どうした?』
「優乃さんが……っ!!」
『っ!?』
健の言葉を最後まで聞くことなく、俺たちは健と理櫻を残して部屋を飛び出す。
部屋を出て下に降りると倒れている下の奴らにその真ん中に立っている優乃。
倒れてる奴らはみんな気を失っているだけで、大きな怪我もなさそうだ。
『優乃……いったい……』
「面白くないのよ。」
『……え?』
振り返って呟かれた言葉。
いつも通りの笑顔。
いつも通りの口調。
ただ、トーンだけが違う。
「優乃ちゃん……?」
「「「……優?」」」
『優乃…っ』
「ここにいれば面白いことがあるかと思ったの。
でも、見当違いね。
銀龍にいた時が一番面白かったわ。」
そう言って髪に手をかけ、ウィッグをはずす優乃。
ウィッグだったことへの驚きよりも、現れた銀の髪に目を見開く。