Je veux le protéger
銀龍。銀髪。……優乃は銀姫だ。
「期待していたのに、残念ね。
もう少し引っ掻き回せると思っていたんだけれど。」
〝相手にもならない〟
その言葉が頭に反響する。
『これは……お前がやったのか?』
「…………えぇ。
だって暇だったんだもの。」
『なんで……っ!』
「言ったでしょう?
興ざめなの。
あなた達が壊れるところを見るの、楽しみにしてるわ。」
コツっとヒールの音を響かせて出ていく優乃。
誰も止めることは出来ない。
ただ黙って優乃の後ろ姿を見ていた。
その時………………
「ほんと……不器用な人。」
そんな声が上から聞こえた気がした。