Je veux le protéger
promise.4
風南side
「どうだった?」
風櫻の病室の机の上に散らばったトランプ。
それを片付けながら聞いてくる風櫻。
『お姫様が仕掛けてきたってさ。』
「ありゃ。
ちょっとお痛がすぎるんじゃない?」
「……そうだな。」
電話をポケットにしまい黒のパーカーを羽織りながら風櫻に返す俺に、とりあえず元気な風櫻。
そして、パーカーを掛布団代わりにしてソファに横になり力尽きかけている理南。
そりゃそうだ。
俺だって眠い。
徹夜で風櫻に付き合わされてトランプしてりゃ眠くもなる。
しかも、風櫻のストレス解消のためだから俺らは風櫻に勝たないっていう暗黙の了解が出来るし。
こっちにストレス溜まるっつーの。
その上、昨日の夜にDunkelheitが出た?
ふざけんな。
俺らはずっとここで風櫻に捕まってたし。
その上、風櫻は病み上がりだぞ。
俺はともかく、理南が行かすわけねぇだろ。
俺らも風櫻も一歩も病室から出てねぇ。
看護師にあわれむような目で見られるくらいにはげんなりしてたからね俺ら。
喧嘩なんて出る元気なかったから。