Je veux le protéger
那智side
優乃が去った次の日。
俺は学校に来ていた。
おそらく、他のメンバーも来ているはず。
来る気なんてなかったが予定表を見てみればテストだったから。
それに、学校に来ているかも……なんて淡い期待をしていた。
俺らと過ごしたあいつの全てが嘘だとはどうしても思えなかったから。
考えが甘いって言われるかもしれねぇけど、姫にしてもいいって思えたやつだから。
そんなことを考えながら廊下を歩いていたら、見覚えのある後ろ姿を見つけた。
『…っ』
声をかけようとした時に見つけたのはもう一人誰かがいること。
「もう動くのか?」
「……らしいな。
お姫様も動き出したし。」
何の話だ?
異様な雰囲気に気配を消してふたりの会話を聞く。