Je veux le protéger
「それにしても、薫も蒼も力足りねぇな。
あの怪我、俺らが手を出してたら防御すら間に合わなかっただろ。」
「…………さぁな。」
「相変わらず興味なさげだな。
しっかりしてくれよ、副総長様。」
副総長?
何のことだ。
それに、薫と蒼の力が足りないって……。
俺らが手を出してたらって意味もわかんねぇ。
「……お姫様が動くなら幹部が動けない今だろうな。」
「まぁ、そうだな。
ふたりともかなり深手だったし。」
「なら、雷光に仕掛けるなら今しかねぇな。」
「そうだけど……。
策はあんの?」
「路地裏でボコられる程度の実力なら無くて問題ない。」
「珍しく過激だねぇ。」
雷光に仕掛ける……?
なんでお前がその案を聞いて拒否しねぇんだよ。
優乃がいなくなって雰囲気がギスギスしてる中で聞くこの会話は、お前が裏切り者と言っているようにしか聞こえなくて。
薫と蒼にあの怪我をさせたのも、お前だって思うしかなくて。
そうなると、お前はDunkelheitってことになる。