Je veux le protéger
お姫様。
それは比喩。
風南たちにとってはかつての銀龍の情報担当で現在の雷光の〝特攻隊長〟である、裏切り者を指す。
「銀の髪のお姫様の考えは?」
つい最近、手を組んだところだし風南のことは分からないことばかりだけど、少しずつ分かるようになってきた。
今、つまらないと思いながらもまだ楽しんでいる。
『あなたの計画に異論はないから考えてないわ』
「お前も傲慢だな。
…………柴 優乃。」
「あなたに言われたくないよ」
張りつめた空気が和らいだ時、周りが騒がしくなり出す。
こちらを見ている人はもういない。
唯一見ているのは二階で手すりに寄りかかりながら下の子の様子を見ているのは彼の兄くらいかな?
『さて、そろそろ帰るね。』
そう言い立ち上がる。
風南くんはこちらをちらっと見たけど何も言わない。
さっきまでたくさん話してたしね。
疲れちゃっただろうなぁ。
今回の事態は私の判断ミスで招いたこと。
たとえ大切な人に恨まれても、嫌われても。
ちゃんと決着をつけなきゃいけない。
そんな決意を胸に私はDunkelheitの倉庫を出た。