Je veux le protéger
「何か用。」
理櫻によく似た顔で理櫻より少し低い声、着崩された制服。
たしか、風南……だったっけ?
『……理櫻かと思って。』
「………………理櫻探してんの」
『探してるわけではないけど。』
疑問符をつけないこいつは俺たちのことを見透かしたような雰囲気だ。
「あ、そ。」
そう言うと、部屋に入ろうとするこいつ。
『……あ。』
「なに」
俺が思わず引き止めようと伸ばした手が、相手の腕をつかむ。
眉をひそめて俺を見るこいつは何を考えているのか全く読めない。
『理櫻、元気にしてんの?』
「……知らね。」
『はぁ?なんでだよ』