Je veux le protéger
そう言い切る目は、かっこよかった。
こいつは器がでかいんだ。
すべてを包み込むだけの器がある。
『風南って呼んでいい?』
「は?」
何突然。そう言いたげな顔。
俺も突然何を言ってるんだと思うけど、その理由はなんとなくだ。
『駄目?』
「……………………。」
俺を品定めするかのように見つめてくる目を逸らすことなく見る。
何となくだけど、逸らしちゃいけない気がしたから。
「思ったより馬鹿じゃなさそうだし……いいよ。
好きにして。」
『サンキュ!』
俺の礼に反応せず空き部屋に入る風南。
えー、俺放置?
そう思ったけど、そろそろ授業が始まる時間だった。
おそらく、この辺りが騒がしくなり出すだろうから避難したってところかな?