愛って何よ？

先程浮かんだモナの話が、目の前の野村くんに該当したわけで…。
気がつくのが遅かったと、自分の軽率さを悔む。

まだ私が言葉も態度も決めかねていると「さぁ、俺の話は終わりです。質問がなければ、今日は解散しましょう」といつもの軽い口調で野村くんが言った。

さっきまでの甘ったるい雰囲気をまるで一掃するように、普段通りの笑顔だ。

別に拍子抜けした訳じゃない。
けど、肩透かしをくらった感はある。

もっと攻めて来られても私はドギマギとして思考が着いていかなかっただろうし、野村くんはそういう隙を逃がさないタイプだと思っていたから。