愛って何よ?
9、本当のこと
よく眠れないまま迎えた翌日。

私のモヤモヤした気持ちとは裏腹に野村くんはいつも通り。

でも午前中に関西事業所を後にすると、スイッチが切り替わったのか急に雰囲気が変わって私を惑わせるようだった。

東京へ戻る新幹線で隣に座ると「本当は手ぐらい繋ぎたいけど、今は仕事中ですもんね」と甘く微笑む。

寝不足も相まって、私はその笑顔と纏う無邪気な色気にクラっとしてしまった。

一度気持ちを吐露すると、野村くんはオープンになるタイプらしい。

それが更に私の疲弊を誘ったのは言うまでもない。
帰宅する頃にはフラフラで、早めに家に着いていたモナに散々心配された。

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