愛の囁き☆私は強くない番外編☆
「香里ちゃん…」

「拓真さん」

間近に拓真さんの顔が見えて、私はかなり拓真さんに近付いていた事に気がついた。

「あ、あ、、すみませんっ」

慌てて、拓真さんから離れた。

「運転中なのに、ごめんなさいっ」

ゴンッ

「痛っ…」

頭を勢いよく下げた香里は、前のダッシュボードに額を打ちつけた。

「…大丈夫!?香里ちゃん」

大きな音に驚いた拓真は慌てて、車を道の横につけた。
そして、額を押さえ動けなくなっている香里の頬を両手で挟み、顔を近づけた。

痛い、なにやってるんだろう、私。
恥ずかし。

え?
自分の目の前に手が出てきてびっくりした。拓真さんの顔が近くにあった。

ち、近い…

「あ?あの…」

「大丈夫?赤いよ、ここ」

そう言いながら、拓真さんは片手は私の顎に、もう片方を額に当てた。

「だ、大丈夫です!」

どう動こうにも、がっちりホールドされてしまい、身動きが取れないでいた。


「香里ちゃん。嫌だったら逃げていいから…」

「え?…っ」

返事をする間も無く、拓真さんにキスされていた。

逃げるとか、そんな事出来なかった。

軽く口を合わせるだけのキス。

すぐに拓真さんは、離れた。

「ごめん」

どうして謝るの?


「気持ちも聞かず、ごめん。だけど、香里ちゃんの事好きになってしまって、気持ち抑えきれなかったんだ」

ほんとに?

ただ、拓真さんが話す言葉を黙って聞いてるしか出来なかった。
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