愛の囁き☆私は強くない番外編☆
「ごめん、待った?」

行きつけのお店に入ると、翠がビール片手に唐揚げを食べていた。

「先に始めてるから大丈夫よ」

「ごめんね。あ、私もビールで」

注文を聞きに来た店員さんに、ビールを注文した。
すぐに、ビールが来た。

「じゃ、乾杯ー!」

「お疲れさま!」

走ってきたせいもあり、喉が渇いていた私はビールを半分程一気飲みしていた。

「…いい飲みっぷりね。で、どうだったの?」

「喉が渇いてたから…、え、どうだったのって…」

「昨日、奥菜さんとデートだったんでしょ?」

デート!
ビールを飲んでる事もあって、顔が火照った。

「デートって言うか、食事してきただけなん…だけど…」

翠は私の歯切れの悪さに気がついた。

「それだけじゃ、すまなかったでしょ?」

「う、うん。キ、キスされた」

「えー!マジで?早くない?」

いや、翠。早くない?って、朝はヤってきた?って言ってなかった?

「え、は、早いの?」

「…出会ったその日に、って事もあるから一概には言えないけど、香里からしたら早いでしょ?まぁ、朝はヤってきたの?って私も言ってたけどね」

「もう!」

興味津々に翠が、聞いてきた。

「で、どうだった?初キス」

初キスと言われて、思い出していた。
あの激しいキスを…
顔が赤くなってきた。

「ふーん。激しかったのね…」

翠がニヤニヤしていた。

「もう!恥ずかしいって!」

「でも、よかったじゃない。奥菜さん、仕事出来そうだし。年上!って感じだしね。でも、モテそうだよね」

ドキっ
モテそう。
確かにそう、彼女は今いないって言ってたけど、キスも上手だったし…

香里は黙り込んでしまった。

「ほら、あの合コンに来ていた、橋本さんに聞いてみるよ。私連絡先知ってるから」

私が黙ってしまったので、翠が気にしたみたい。

「いいよ。今はいないって言ってたから…」

「いいの!橋本さんとご飯に行けるかも?だからさ」

翠が、私に気を使わないようにしてくれているのが、分かった。
だから、うんと頷いた。

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