愛の囁き☆私は強くない番外編☆
「待って!香里ちゃん。俺も帰るから駅まで一緒に行くよ!」

拓真が、香里を追いかけてきた。
二人並んで、駅まで歩いていた。

香里は、連絡先を聞こうとしたが、聞く勇気がなく、駅に着いてしまった。
改札を通り、ホームで電車を待っていた。

あー。
ここで別れちゃうのに、どうしたらいいの!
どうやって連絡先を聞いたら、いいんだろう。

悩む香里に、拓真が話しかけた。

「あのさ、香里ちゃんさえ、よければLINE交換しない?」

「え?あ、あ、はい!」

思いもかけず、拓真が連絡先を聞いてきた。香里は笑顔で、拓真とLINの交換をした。

「このふるふるって、やった事ないんですけど、いつも友達にやってもらってて…」

もう少し、使えるようになっておけばよかった。
戸惑っていると、拓真は香里の手を掴んだ。

「え?」

「俺がやってあげるよ、貸して」

香里は、その光景をただ黙って見ていた。
素早く、行動する拓真から目が離せなかった。

「はい」

スマートに携帯を香里に渡した拓真は、

「また、連絡するよ!こっちだろ?電車。今日は遅いからまたね」

いつの間にか、ホームに電車が入ってきていた。

「はいっ。連絡してもいいですか?」

嬉しさのあまり、少し顔を赤らめて香里は拓真に聞いた。

「いいよ。待ってる」

「連絡しますね。おやすみなさい」

はにかみ、控えめに頭を下げようとした香里に拓真は額にキスをした。

「あ、ごめん。つい、可愛いなって」

「いや、あの…」

♪♪♪♪♪

電車のベルが鳴った。



私は、今起こった事に混乱して慌てて電車に飛び乗った。
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