愛の囁き☆私は強くない番外編☆
待っている間、数分なのに何時間にも感じられた。

「香里、大丈夫だからね。安心して…」

「翠、大丈夫よ。私…」

大丈夫と言いながら、手は震えていた。
どんな結果になるのか、不安だった。もし妊娠していたら…私はどうしたらいいんだろう。

拓真さんになんて話をしたらいいんだろう。

「香里!出たよ」

判定の窓に、赤紫色の縦線が出ているのが見えた。

う、嘘…
そんな…に、妊娠しているなんて…

「か、香里、妊娠してるじゃない!どうするの!」

「み、翠…ど、どうしよう…」

私はどうしていいか分からず、翠に助けを求めていた。
翠は私の背中をさすりながら、静かに言った。

「奥菜さんに言おう。責任取らせなきゃ…」

「そ、そんな!な、なんて言うの」

翠は私の両肩をガシッと持つと、真剣な表情で

「妊娠させたんだから、責任取りなさいよ!って言ってやるの!私が言ってあげるよ」

翠は、怒っていた。私にも責任はあるけど、男として責任を取らせなきゃいけない、と。
私は今、起きている現実についていくことが出来ていなかった。

ど、どうしよう…
翠は、あぁ言っているけれど…

私は、お腹をおさえながら、どうすればいいのか、悩んでいた。


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